すこし不思議(ドラえもん)はよく読む
晴れはあまり好きではないが、曇天続きだと待ち遠しくなるもので、
当たり前だけれど、日の光を浴びて活動する生き物なのだなと理性を超えて感じた。
しかしちょっと暑すぎやしませんかね…まあ、贅沢は言うまい。
さて、これまた「バーナード嬢曰く。」で読んで気になった「あなたの人生の物語」/テッド・チャン。
「現代SFの最高峰」「寡作だから1冊しか出ていない」「短編集」というワードを聞いて、
1冊で最高峰と言われるほどのSFを読めるだなんて素敵!と読んでみたが、とても難解だった。
ちょっと眠くなったらまったく頭に入らなくなるレベルで、まともに頭が動いているときしか
読めなかったので、読むのに1週間以上もかかってしまったのだが、
それだけ頑張って読む価値のある、確かに素晴らしく面白い本だった。
私はSFについてあまり詳しくないのだが、科学のフィクションを通して
人や世界の在り方を問うという醍醐味を味わうことができた。
「理解」という作品に出てきたように別の受容器が目覚めた感じとでも言おうか、
人の見方・考え方に影響を及ぼす力が半端ない。読んでる間は夢の中のようだ。
具体的には受容するのがいっぱいいっぱいで、出力する感想がこんな程度でしか
書けないのだが、普段SFを読んでない人に読んでもらって同じ感覚を味わってもらいたい。
また、この作品をよく日本語に訳せたなあということにも感嘆した。
造語や形而上の概念を、日本語に訳した上で、理解できるよう読めるようにするだなんて、
翻訳者だから当たり前と言ったらそれまでなんだけれど、神業である。
著者と訳者に感謝。今年のベスト小説かもしれん。
世間様に比べたら遅いベスト候補だけれど、本なんて人によってタイムラグがあって
当たり前なのだ。そのための本なのだから。と、勝手に決めている。
著者が賞賛していた、また「バーナード壌」でも軽く触れられていた
グレッグ・イーガンも1冊とりあえず読んでみたくなった。どれがいいんだろうなー。